by manamana
7. April 2009 09:29
先日 NEC が発表した高速通信技術が、ちょっとした話題です。
コンシューマ機器間の超高速通信を実現する次世代インターフェース回路技術を開発 (NEC)
USB3.0 を上回る速度を、既存のUSB2.0 のケーブルで達成できるということで、各所で取り上げられています。
しかし、既に規格が決定している USB3.0 の代わりになるとは思えません。
※この手の規格は標準化されることが重要で、Intel が採用しない限り普及は困難です。
今回の技術の肝は、信号波形の歪み補正技術に対する発想の転換です。
デジタル信号といっても、ケーブル中の信号は常に歪みを伴います。
デジタル通信では、この歪みを補正しつつ、信号をやりとりするわけですが、
USB3.0 の速度(※5Gbps)ともなると、よほど真面目に作らないと、規格の速度に追いつきません。
そこで NEC は考えました、
●歪み波形の状態を2値ではなく3値で判別することにより、受信信号のタイミング制御による波形補正が可能となり、
約2倍の動作速度を実現できる。
●1つの入力データに対して毎回補正処理を行っていたのに対し、4つの入力データごとに1回だけ補正処理を実行しよう。
この回路を4つ並列に時間をずらして動作させることで、回路設計に余裕が生まれるし、補正効率も変わらない。
つまり、今まではすごく真面目に0/1を識別していたけど、ちょっと工夫したら手抜きできることに気づいた・・・という感じでしょうか?
考えられる効果としては、
●より長い伝送経路を確保できる
●同じ速度ならば、低発熱&省エネの回路が実現できる
この技術は、USBだけでなく、イーサネットにも応用が利くはずです。
10Gbps の NIC や HUB が既存のケーブルでOKなら喜ぶ人は多いと思いますが、如何でしょうか?
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